narative.

物語。日常。代わり映えのしないもの。

いつかのこと。備忘録。

同居人に家賃を払わせたい。

ちょっと前から同居人がいる。なんとなくそのときから一緒にいて、なんとなく一緒に住んだ。もともと一人暮らしをするために借りた家で二人には手狭、でも一緒に住んでいるのだからやっぱりそいつの分のスペースは必要で。 そいつって言うのはやめよう、あっ…

友達を殺してしまったはなし。

梅雨が近い。この湿り気を帯びた空気を感じる度に思い出すことがある。 ぼくは友達を殺してしまったことがある。 小学5、6年生の時分だったと思う。ただ毎日笑っていればそれですべてが済んだ、楽しかった時期。このころ、【バトル・ロワイアル】という小説…

ずっと取っておいたビックリマンチョコ。

手元にある一枚の紙を眺めながら、これでいいのだよな、と思ってみたり、でもその数分後にはちょっと調べて落ち込んでみたり、いや、まだ自分にはなにかやれるのではないか、といくつかインターネットを巡ったりしてみたりするけれど、でも、やっぱり、手元…

すぐ前の家にいる犬は恐らく頭が悪い。

眼前にある家の犬は、恐らくひどく頭が悪い。私が生まれの地にあるこの2Kの借家に越してきて四ヶ月になる。2Kだが4帖と6帖の部屋の敷居はぶち抜かれており実質1LDKと化している。そこから防犯性が全く感じられないカナダ人辺りはきっと窮屈に感じるだろう玄…

よくわからないまま過ぎていく。

日常とはなんだろうと考える。最近寝入りが遅く、深夜まで起きている。それに意味があるのかというと全く意味はなく、それを考えたこともない。ただなぜそうなってしまっているのか、それについては気にはなる。変わった薬のせいだとか、とりとめのない不安…

情熱。私にはもうないもの。未来。私が失いかけているもの。

「だから、僕たちで思いっきりリアルな写真集団をつくって、この糞みたいな県を変えましょうよ」 ぼくの横で、Aくんがボトルを動かしながら先生に言った。足下にはD800が置いてある。B先生は、うんうん、と頷いて、それから二科がどれだけ前時代的で、そして…